【基本編】6ヶ月で偏差値39を上げた中学受験の長文読解が出来るようになるコツ

この記事はこんな中学受験生&保護者におすすめ
中学受験生の子供が、
 塾にも通い、多くの問題集をやってきたのに、国語の成績が伸びない
 長文読解の解き方が身に付いていない
と悩んでいる保護者

筆者自身、高校まで全然国語が出来なかったのですが、大学受験で(成績上昇までの期間:約半年間)偏差値50から89まで上げることが出来ました。その理由は、「長文読解&問題解答テクニック」にあります。

そのテクニックは、実は、中学受験にも十分に対応できると感じ、実際に大学生の時から約15年間中学受験で国語の長文読解に悩む生徒にそのテクニックを教えてきました。

そこで今回の記事では、長文読解に悩む生徒&保護者に向けて、短期間で長文読解が出来るようになるコツを下記のポイントでご紹介します。

子供の「国語が伸びない」を改善させるポイント
【長文読解スタンス】 長文読解は、話の流れを追って、覚えようとしてはいけない!むしろ、「照らしあわせゲーム」

【長文読解の最低条件】 長文読解で立ち止まらないための語彙力UP

【高い正答率の基盤】 『長文読解&解答の順番』

本来、成績が短期間で一番上がりやすいのは「国語」

個人的な経験からの見解なのですが、受験勉強で一番成績が短期間で上がりやすいのは、「国語」だと考えています。

その理由は、他の教科は、覚えないといけない公式や知識が多いのに対し、国語の覚える内容は算数や理科、社会に比べて圧倒的に少ないです。

確かに、「漢字」や「ことわざ・慣用句・四字熟語・文学史」、「口語文法」などの知識問題はありますが、点数全体に対して、与える得点的な影響は、小さいと言っても過言ではありません。(但し、受験する学校によっては、ほとんどが知識問題というところもありますが・・・)

そんな「国語」特に「長文読解」の実力を付けて、点数を伸ばすには、「たくさん本を読ませるのが一番」という人もいますが、上がりません。そう言っている人は、「The 思考停止」なので、無視してください。私が成績が上がったとき、本なんて一冊も読んでなかったです。

大事なことは、「問題が解けるようになる『仕組み』作り」です。そんな問題が解けるようになる仕組みを紹介していきます。

長文読解が出来るために知ってほしい考え

一番、短期間で成績が伸びる教科は国語!

長文読解のために、本をたくさん読むのは「思考停止」なので、絶対やめて!

長文読解の成績が伸びない生徒に共通する課題と具体的な勉強方法

長文読解で伸び悩む生徒にはいくつかの課題があります。それらの課題を「初歩」と「基本」、「応用」に分けて説明します。また、同時に具体的な勉強方法についてもご紹介します。

【言葉編】言葉の区切りがわからない

【確認方法】初見の長文を音読させる

これは、中学受験を始めた4年生や長文読解を苦手とする高学年の受験生に多いのですが、実は、音読されると「つっかえる」ことが高頻度で起こります。もし、初見の文章を音読させた時に、スラスラと読めない場合は、下記のことが原因と考えられます。

音読ができない原因
・語彙力不足(特に、形容詞・副詞、慣用表現が多い)
・口語文法の理解不足(特に、助詞による「文の区切り目」や「文節」)
・漢字の読み書き不足

上記によって、文章を理解する以前に、「言葉の区切り」がわからないために、読み進めるのがストレスとなり、テキトーに読む癖が付いている可能性があります。

これまで私が指導させてもらった「長文読解嫌い」の受験生の多くは、「言葉の区切り目」が理解できていないことがほとんどでした。特に、既に学習塾に通っている長文が出来ない受験生は、言葉が読めないというストレスが積み重なり、テキトーに読んでしまっているので、お子さんが長文が出来てなくなっているのであれば、初見の文章を音読させてみてください。

ー解決策ー

語彙力を格段にUPさせる問題集

語彙力の問題集は、生徒が一人で進めて行くのは「無理」です。これまで指導してきて、語彙力の問題集を宿題で出すと、ほとんど子が理解出来ず、結果語彙が増えていないというのがほとんどでした。

その理由は、「面倒くさくなってしまう」ことです。大人と違って、前頭葉が成長していないので、自分で自分をコントロールすることが難しいので仕方がありません。

そこで、語彙力の問題集をする時は、大人と一緒に(出来れば解説をもらいながら)勉強するのがおすすめです。

【基本】10才までに覚えておきたいちょっと難しい1000のことば改訂版

対象:小学3年生〜5年生

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対象とする学力レベル
偏差値45程度まで

こんな子におすすめ
・ゲーム感覚でわかりやすく理解したい
・国語の苦手意識がとても強い

〜メリット〜

この問題集は、1ページに5つの言葉が大きな文字で書かれているので、わかりやすいのが良いところです。ですので、これまでには小学2年生に使わせても、順調に使いこなすことが出来ました。

また、無駄な説明はなく、一問一答形式で進めることが出来、子供が情報量に圧倒されることがないので、一人で進めるのも可能。

〜工夫が必要なポイント〜

低学年も利用できるように、情報量を減らしてあります。ですので、一問一答をゲーム形式で解く分には、とても重宝できるのですが、言葉の使い方や類義語・対義語を学ぶには、大人の指導か他のテキストに段階的に切り替えていくのがおすすめです。

【スタンダード】ふくしま式「本当の語彙力」が身につく問題集[小学生版]

対象学年:小学4年生〜6年生

(画像をクリックするとAmazonページに移動します)

対象とする学力レベル
偏差値55程度まで

こんな子におすすめ
・柔軟な対応をしてくれる個別指導や家庭教師に国語を教えてもらっている
・保護者と一緒に勉強する習慣がついていて、保護者が教えた内容を素直に受け取れる

〜メリット〜

福嶋隆史先生の「ふくしま式シリーズ」の「本当の語彙力が身に付く問題集」は、対義語と類義語の組み合わせで語彙を増やしていきます。そのため、一つの語彙でいくつもまとめて語彙を増やすことができるのがメリットです。

そして、レベル別に語彙が設定されていて、レベルが上がるに連れて、語彙レベルが格段に上がります。レベル3の語彙は、高校受験でも頻出となっている語彙が数多く出ていますので、難関校を目指したいという生徒にも対応できます

また、文字の大きさも比較的大きく、漢字に「るび」が振られているので、小学4年生から利用しても問題ないです。

〜工夫が必要なポイント〜

問題がほとんどないので、大人が口頭でミニテストするなどして、理解出来、覚えられているのかを確認する必要があります。

また、対義語と類義語が見開きページで多く記載されているため、一人で勉強するとやる気を無くしてしまう生徒も多いので、なるべく大人が解説しながら進めるのがおすすめです。

中学受験必須難語2000ポケット新装改訂増補版

対象学年:小学5年生〜6年生

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対象とする学力レベル
中堅校〜難関校まで

こんな子におすすめ
一問一答形式で、手っ取り早く数多くの文章読解や語彙力の問題で問われる難語を覚えたい

〜メリット〜

難語2000のポケットタイプは、一問一答形式で難語が載っているので、覚えやすいのが特徴。また、例文を使って、一問一答形式で解答するタイプなので、どんな文章で使われる言葉なのかというニュアンスも掴みやすいです。

またポケットタイプなので、いつでも見直しができるという点も、小学生にとっては使い勝手が良いです。

〜工夫が必要なポイント〜

とにかく、載っている言葉のレベルがかなり高いということです。この一冊には、文章読解で頻出の言葉(例えば、抽象的や具体的、感覚的など)はもちろんのこと、慣用句や四字熟語、故事成語といった幅広い語彙力を養うのには、素晴らしい本です。

しかし、難易度が高すぎて、大人もわからない言葉がかなり多く出てくるので注意が必要です。

次に、文章を理解しながら進めるための読解スキルをご紹介します。

【マインド編】文章の「流れ」を追おうとする

【確認方法】
初見の文章の一段落を読ませた後、文章を見ずにどんな内容だったかを口頭で確認する。

文章の「流れ」を追おうとしている生徒は、文章を前から説明しようとします。そのため、「暗記」が優位になってしまい、そこで集中力を使って、問題を論理的に解釈することが出来ません。

一方で、「段落」で言いたいことを理解しようとしている生徒は、段落の中で「重要な文」だけを述べて、簡潔に説明します。もう少し言うと、説明がトップダウンで出来ます。これは、最上位に位置する「重要な文章」を述べて、その詳細な説明をその後に述べると言う説明が出来ると言うことです。

では、流れを追うようになる原因・理由はどこにあるのでしょうか?

文章の流れを追ってしまう原因
・段落で言いたい内容(一番大事な文)を掴めていない

「主語・目的語・述語」を意識せずに読んでいる。

わかりづらい表現は、必ず、その先に詳しく解説してくれるという意識がない。

まず、長文で大事なことは、筆者が各段落で言いたいことは一つと言うことです。その大事なことを書いている一文(ないし二文)を掴むことが大事なのですが、「流れ」だけを追っている生徒は、このことに気づいていない(もしくは面倒臭くてやっていない)ことが多いです。

また、主語や目的語が指示語に置き換わっているもしくは省略されている(特に、小説や物語文)場合に適切に対応していないことです。この二つに具体的な内容や言葉を当てはめて、文章を読むことが出来ていないことが多いのも特徴です。これによって、なんとなく文章の温度感(例えば、「批判的」とか「肯定的」など)を感覚的に掴むことが出来ますが、「何が何をどうする」という骨格まで意識できていません。

特に、段落の最初の文頭にある「指示語」は、前の段落をまとめさせてくれるチャンスなので、丁寧に当てはめて読むことが望ましいのですが、流れを追っている生徒は、これをすっ飛ばして、読み進めます。

そして最後に、「文章は後置修飾」ということを意識せずに読み進めています。どういうことかというと、「文章の初めは『抽象度』が高いため、わかりづらいけど、その後『具体的』な内容に移っていく」という文章の構造がわかっていません。(いや、指導者が教えてないかも・・・)

ー解決策ー

1.段落で一番大事な文を掴む&段落口頭要約

文章は、「段落」の塊です。この「段落」それぞれに筆者が与えた意味があるので、まずそれを掴む練習をしましょう。それが出来たら、口頭でその段落がどんなことを伝えたいのかを口頭で要約させましょう。

新しい問題集をやらせる必要はないので、これまでに解いてきた問題集でも取り組めるので、おすすめです。

2.一文を意訳する

1.の段落を理解しているかどうかの確認の過程で、なるべく一文が長いものを選び、主語と目的語、述語を押さえて、記載されている内容を別の言葉を使って、わかりやすく意訳するトレーニングをすると、一文への理解力が高まります。

保護者や講師と一緒に行って欲しいのですが、その場合、抽象度が高い「言葉」に対しては、「これはどういうこと?」と質問するようにしてください。国語は、「文章を具体化させるゲーム」です。「『わかりづらい』をいかに『わかりやすい』に変えるゲーム」なので、しっかりとよりわかりやすい説明をさせることが重要です。

その際、わかりづらい言葉や内容の詳細な説明は、その段落にはない可能性もあります。その時は、文章は「抽象から具体に進む」ことを理解させ、その次の段落を読解させてから、もう一度聞くようにしてみてください

読解&解答の手順が未確立

【確認方法】読解から問題を解く流れを確認する

長文読解ができない生徒の多くは、読解と問題解答の手順が確立していません。その理由は、「長文読解の前に、いかに事前に情報を収集することが重要である」ということを知らないからです。

というのも、国語の長文読解は、他の教科に比べて、いかにメンタルを落ち着かせることができるのかが肝になってきます。何の情報収集をしないまま、ぶっつけで長文読解に入り、わからない文が続くことで、テンパってしまうので、事前に様々な箇所から、文章の内容を想定しておく必要があります。

その前に、どのような手順で、長文読解を解いていくのが良いのかというと、「1.読解前情報収集→2.一段落ずつ読解→3.解答できる問題を解答→4.毎段落で戻るべき問題にアプローチ」です。

それぞれのポイントをご紹介していきます。

ー解決策ー

読解前情報収集

先ほども紹介しましたが、国語の長文読解は、いかにメンタルを落ち着かせることができるのかが重要になります。そこで、大事なことは、いかに読む前に文章の内容を情報収集するかということです。

情報収集するポイントは下記の通りです。

長文読解前の情報収集できるところ
(小説・物語文限定)本文に入る直前の「あらすじ」

出典名

注釈

問題&選択肢の文頭

情報収集には、約1分半程度かけるのがおすすめです。では、上記のポイントを詳細に説明していこうと思います。

1.(小説・物語文限定)本文に入る直前の「あらすじ」

小説・物語文に限られますが、本文に入る直前の「あらすじ」には、「登場人物の説明」と「設定場所」、「時間・時代」が記載されています。この3点をチェックするようにしてください。

2.出典名

出典名からは、ざっくりとした「テーマ」を読み取ることができます。特に、評論文については、「この文章はこんな文章が書かれていますよ〜」ということが記載されていますので、チェックするようにしましょう。

また、小説・物語文は出典名からどんな話やテーマなのかがわかりづらいことがありますので、その場合は、飛ばしてください。

3.注釈

注釈は、本文中の難しい専門用語や特殊な言葉の説明が記載されています。専門用語のため、どんな言葉が使われているのかがわかるので、文章が書いているテーマがわかりやすく想像することが出来ます。

評論文の場合は、筆者が書いている内容の専門用語である場合が多いので、比較的、テーマの把握が容易になります。

また、小説・物語文の場合は、場所や方言の説明が記載されている場合は、要チェックです。どのような場所で繰り広げられる話なのかを知ることで、情景把握が容易になります。

4.問題&選択肢

注釈の後は、いよいよ問題を見ていきます。原則、問題は問題文を見るだけで良いです。その際に注意しておくポイントは、「問題の種類」と「登場人物・専門用語などの固有名詞」です。

まず、問題の種類を意識しておく理由は、どんな問題が出題されているのかを知ることで、逆算的に文章を読み進めようという意志が働きやすくなります。すなわち、問題の解答を意識した長文読解を実現することが出来るということです。

また、問題に取り扱われている「登場人物・専門用語などの固有名詞」を意識すると、キーパーソンやキーワードを把握した上で読み進めるようになるというメリットもあります。

そんな問題の種類には、大きく分けると2種類あります。

・箇所限定問題
・全体通し問題

箇所限定問題とは、「傍線」や「段落指定」などのように、出題箇所が限定されている問題です。この問題の場合、傍線や指定段落の段落を読み終わった後に、一度問題に戻り、解答を試みます。

一方で、全体通し問題とは、「段落構成問題」や「本文内容一致問題」、「場面切り替わり問題」、「文章欠落補充問題」などがあります。これらの問題は、できる限り、毎段落ごとに戻ってくることが望ましいです。なぜなら、最後まで読み終えた段階で、取り掛かると、時間が掛かりすぎてしまうからです。

このように、事前に問題に目を通しておくと、「逆算的に文章を読むようになり、キーワードやキーパーソンを押さえた読解を意識できる」ようになります。また、先ほどの「箇所限定問題」と「全体通し問題」を分類することで、時間効率よく問題解答することも可能になります。

読解前に行う情報収集のポイント
1.[小説・物語文限定]あらすじを「登場人物」・「場所」・「時間」を意識して読む

2.「出典名」と「注釈」を確認して、テーマを想像する

3.問題に目を通し、「キーワード」や「キーパーソン」を探る
→この時、『箇所限定問題』か『全体通し問題』かを予め確認しておく

一段落ずつ読解(パラグラフリーディング)&各問題にアプローチ

読解は、一気に最後まで行うのではなく、各段落に区切って読解するのが良いでしょう。その際に心がけたいのが、段落読解後の『頭の中まとめ』です。簡単に言うと、頭の中で20〜30秒程度で要約を行うと言うことです。

その後、ここまでで解けそうな問題がないかを問題に戻って確認します。先ほどご紹介したように、傍線部や特定段落についての問題は、比較的、目が行くのですが、「段落構成問題」や「本文内容一致問題」、「場面切り替わり問題」、「文章欠落補充問題」は後回しになってしまう傾向があるので、出来るだけこれらの問題にも目を通すのが良いでしょう。

読解&問題解答のポイント
・読解は、各段落で区切る。段落読解後、20〜30秒程度で頭のなかでまとめ、解答できそうな問題に着手

読解力を格段にUPさせる問題集

出口の小学国語レベル別問題集 1基礎編 (東進ブックス レベル別問題集シリーズ)

対象:小学5〜6年

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対象とする学力レベル
偏差値50程度まで

こんな子におすすめ
文章読解の基礎を固めたい生徒

〜メリット〜

文章のレベルも比較的読みやすく、本文と問題の順番を確認しながら進めることが出来ます。また、問題へのアプローチや問題の解答までの思考プロセスもしっかりと書いているので、個別指導や家庭教師で用いられるようなテキストです。

解答のテクニックは、かなり深いところまで、解説されているので、保護者や指導者が指導の時に使うのにも適しています。

もし、基礎編でレベルが物足らない場合は、「出口の小学国語レベル別問題集2標準編」を利用するのもありです。

〜工夫が必要なポイント〜

生徒・子供に自習としてやらせておくとほとんど意味のないものになる可能性が高いです。というのも、このテキストは、問題を解答することよりも書かれている解説を理解し、次の文章読解に生かすことに価値があります。

そのため、出来れば、保護者や指導者と一緒に行うようにした方が良いでしょう。

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最後に

国語の長文読解に悩む多くの受験生は、読解の理屈や基本となるフォーマットを教えてもらっていません。そのため、無駄に時間をかけさせられたり、問題数を解かせられたりして、心が疲弊しています。

そんな時は、保護者や指導者は一度、一緒に上記の出口の小学国語の解説を読んでみてください。国語には解き方があり、意識するポイントが必ず存在します。それを理解して、意識させることから始めてみると、国語は意外と早い段階で成績上昇を見込むことが出来るので、大人と一緒に頑張ってみてください。

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全教科の偏差値を上げたいという保護者の方に、下記の記事では、「成績が伸びない子の共通点&原因」と「成績を上げるためのコツや解決策」を書いていますので、参考にしてみてください。

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