赤ちゃんがいる家庭が知っておきたい、4つの防災対策と避難するときの注意点(2024年2月更新)

赤ちゃんがいる家庭が知っておきたい、4つの防災対策と避難するときの注意点

※2024年1月1日に石川県能登地方で発生した、令和6年能登半島地震。当時2歳と0歳の子どもと一緒に被災・避難した経験をもとに、情報を更新しています。

数十年に一度といわれるような大規模な自然災害が毎年のように発生している昨今。防災対策の必要性は感じているものの、「家事や育児に追われて、ついつい後回しになってしまっている…」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、災害が起きたときに後悔しないための、今すぐできる災害への4つの備えと、赤ちゃんと避難するときの注意点について紹介します。

また、被災経験のあるママとパパの意見を踏まえた、最低限必要な備え(備蓄)や、おすすめの防災アイテムについても紹介しているので、ぜひ、参考にしてみてください。

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今すぐできる災害への4つの備え

防災対策と聞くと、「なんとなく大変そう…」といったイメージがあるかもしれません。実際にはそのようなことはなく、例えば、食料品や生活必需品などは、日常生活の延長線上で比較的簡単に備蓄することができます。

まずはじめに、「備蓄」や「家具の転倒防止」など、災害による被害を最小限に抑えるために、今すぐにできる4つの備えについて整理します。

1.物の備え

大規模な自然災害が起こった場合、電気やガス、水道をはじめとするライフラインへの被害が発生したり、食料品や生活必需品などの物資供給が停滞する可能性があります。特に、災害時にはおむつやミルクなど、赤ちゃんのお世話に必要なものが手に入りにくくなるため、赤ちゃんのお世話に必要不可欠なものは日頃から多めに備えておくと安心です。

自宅での備え(備蓄)としては、避難所などに避難した際、当面必要となる最小限のものを納めた「非常用持ち出し袋」と、自宅内での避難生活(在宅避難)の際に必要なものを備えておく「家庭内備蓄」の2つがあります。

■非常用持ち出し袋

自宅が被災した場合の避難では、赤ちゃんと自分の命を守ることが最優先になります。避難所での生活を考えると、ついあれもこれもと詰め込みたくなりますが、「非常用持ち出し袋が重すぎて、逃げ遅れてしまった…」となっては本末転倒です。まずは、命を守るために必要なもの。次に、生活必需品を詰めるようにしましょう。

非常用持ち出し袋の重量は、男性で15kg以下、女性で10kg以下を目安にするとよいでしょう。大人が避難所まで持ち歩ける荷物の上限は、男性で体重の30%程度、女性で体重の20%程度だといわれています。ただし、赤ちゃんがいる家庭では、抱っこするお子さんの体重も含まれるため、その分、非常用持ち出し袋の中身を厳選する必要があります

重量に余裕があれば、1人あたり3日分程度の食料品や生活必需品を準備しましょう。災害発生後72時間(3日間)は人命救助活動が最優先になり、避難所への物資供給が停滞する可能性があるため、この期間に必要なものが備えられると安心です。

     
赤ちゃんのための非常用持ち出し袋
母子健康手帳・健康保険証・乳幼児医療証赤ちゃんが怪我や病気をしたときに必要になります。特に、母子手帳の重要なページ(出産の状態や予防接種の記録など)はコピーしてジップロックなどに入れておくと、避難するときに濡れてしまう心配がなく安心です。デジタル化してクラウドに保存するのもおすすめ。
常備薬持病がある場合は、常備薬を多めに準備しておくと安心です。お薬手帳も忘れずに。
着替え・靴・防寒具食べこぼしやおもらしのほか、避難するときに大雨などで洋服が汚れる可能性もあるため、多めに準備しておくと安心です。また、赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、防寒具も忘れずに。災害時は身体を保護するために、暑い時期でも長袖長ズボンの洋服を1組準備しておくとよいでしょう。
おくるみ・バスタオルおむつ替えシートや授乳ケープ、赤ちゃんの掛け布団など、何かと使えるため、準備しておくと便利です。
おむつ替え用品急な体調の変化に備え、おむつやおしりふきは多めに準備すると安心です。特に、おしりふきは赤ちゃんや大人の身体を拭くときにも役立つため、不衛生になりがちな避難所での生活で重宝するアイテムです。
授乳・調乳用品日頃の授乳方法に合わせて準備しましょう。哺乳瓶の消毒ができないときは、紙コップやスプーンを使ってミルクを飲ませる方法もあります。
離乳食 避難所では月齢に合わせた離乳食が手に入らない可能性もあるため、市販のものを準備しておくと安心です。離乳食を始めたばかりであれば、母乳やミルクで代用することもできます。また、赤ちゃんが食べやすいサイズのスプーンも忘れずに。
赤ちゃんのケア用品ガーゼは、汗やよだれのほか、お風呂に入れないときに身体を拭いたり、歯の汚れを落としたり、赤ちゃんのお世話に何かと使えるため、多めに準備しておくと便利です。また、赤ちゃんの爪はすぐに伸びるため、爪で自分の顔を傷つけないように、ベビー爪切りを入れておくと安心です。
口腔ケア用品口の中を清潔に保つことができないと、口腔内の細菌が身体に悪影響を及ぼす可能性があるため、衛生的に過ごすためにもしっかりと準備するようにしましょう。特に、災害時は断水や水不足などで水が使えない可能性もあるので、歯磨きシートがあると便利です。
防臭袋・レジ袋おむつがすぐに捨てられない可能性もあるため、防臭袋があると安心です。また、レジ袋があれば、おむつが手に入らないとき、タオルと組み合わせて「簡易おむつ」を作ることができます。
食品包装用ラップラップをかぶせた食器で食事をすれば、食器を洗わなくて済むため、断水や水不足などで洗い物ができないときに役立ちます。また、ラップは気密性が高いため、止血後の患部の保護にも有効です。
使い捨てカイロ身体の保温だけでなく、市販の離乳食や液体ミルクを温めるときにも使えます(常温OKの離乳食や液体ミルクに限る)。
おもちゃ・おやつ慣れない環境で赤ちゃんがなかなか落ち着かない可能性もあるため、お気に入りのものを準備しておくと安心です。おもちゃは、遊び慣れているものの中から、持ち運びしやすく、狭い空間でも遊べるものを選ぶとよいでしょう。
飲料水赤ちゃんはちょっとしたことで脱水になりやすいため、多めに準備しておくと安心です。飲料のほか、ガーゼを濡らして身体を拭いたり、怪我をしたときに傷口を洗い流すこともできます。飲料として使う場合は、軟水(硬度60mg/L以下の水)を選ぶようにしましょう。

※上記のリストを参考にしながら、各家庭に合ったものを揃えましょう。

避難所で粉ミルクを調乳する場合
  • 赤ちゃんは細菌に対する抵抗力が弱いため、粉ミルクを調乳する際は、衛生面に気をつける必要があります。水道が使える場合は、トイレ以外の清潔な場所で調乳するようにしましょう。
  • お湯が使えない場合、調乳した粉ミルクを使い捨てカイロで温めるのは絶対にNGです。ごく微量ですが、粉ミルクには「サカザキ菌」や「サルモネラ菌」が入っているため、これらの菌を不活化させるためにお湯で調乳する必要があります。WHOや厚生労働省は70度以上のお湯で調乳することを推奨していますが(※)、使い捨てカイロでは70度まで温めることができないため、絶対に避けましょう。

完全母乳(完母)で育てている場合
  • 普段、母乳で育てている方も、災害時にはストレスや水分・栄養不足などにより、一時的に母乳の量が減ってしまうことがあります。また、安心して授乳できる環境が確保できないこともあるため、母乳で育てている方も、ミルクや哺乳瓶などを用意しておくと安心です。
  • 特に、液体ミルクであれば、調乳の必要がなく、常温のまま飲ませることができるため、断水や衛生管理の心配もありません。哺乳瓶が用意できない場合には、紙コップやスプーンで授乳することも可能です。
  • 母乳育児を継続する場合には、「ミルクアップブレンド」など、母乳育児専用ハーブティを用意しておくのもおすすめです。実際に、私も被災した際はこちらのハーブティを愛用していました。
  • ちなみに、赤ちゃんが十分な量の母乳を飲めているかは、おしっこの回数(一日5~6回以上)が目安になると言われています。

アレルギーがある場合
  • アレルギー対応の主食を、災害時の備蓄として備えている自治体は、全国で3割に満たないといわれています。さらに、アレルギー対応の離乳食を備蓄している自治体の数は少なくなるため、食物アレルギーがある場合は、アレルギー対応の離乳食を準備するようにしましょう。

(※)参考:「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」(WHO(世界保健機関) / FAO(国連食糧農業機関) 共同作成)

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■家庭内備蓄

大規模な災害が起こった場合、電気やガス、水道をはじめとするライフラインが一定期間使用できなくなる可能性があります。さらに、道路が寸断され、物資供給が停滞することも。

そのため、支援が届くまでの期間(最低でも3日以上、理想は1週間程度)の食料品や生活必需品の備えが必要になります。ただし、ミルクや離乳食などは、大人の食料品に比べ手に入りにくくなるため、赤ちゃんのお世話に必要なものは、2週間分が備えられていると安心です。

また、災害に備えて、普段は使わないものを特別に準備(備蓄)すると、管理や継続が難しくなってしまいます。そのため、日頃から使っている食料品や生活必需品を少し多めに買い置きして保存。賞味期限(使用期限)が近いものから消費し、消費したものを買い足す、という方法を繰り返す「日常備蓄(ローリングストック法)」がおすすめです。

   
赤ちゃんのための家庭内備蓄
飲料水断水になったとき、最も困るのは生活用水が使えなくなることです。特に、赤ちゃんがいる場合は、調乳や離乳食作り、哺乳瓶・食器の消毒など、何かと水が必要になるため、多めに準備しておくと安心です。
カセットコンロ・ボンベオール電化住宅の場合、停電時にお湯を沸かすことができなくなるため、カセットコンロとボンベは準備しておきましょう。オール電化住宅でない場合も、災害時はガスの供給が停滞する可能性があるため、準備しておくと安心です。
常備薬持病がある場合は、常備薬を多めに準備しておくと安心です。
おむつ替え用品おしりふきは、赤ちゃんや大人の身体を拭くときにも役立つため、多めに準備しておくと便利です。おむつは、「サイズがすぐに変わるため備蓄が難しい…」と思われるかもしれませんが、サイズアウトしたおむつとレジ袋を組み合わせることで「簡易トイレ」を作ることができます。
授乳・調乳用品災害時には、電気やガス、水道がストップしてしまう可能性もあるため、常温で保存し、そのまま哺乳瓶に移し替えるだけで飲むことができる液体ミルクがおすすめです。液体ミルクと一緒に、専用のアタッチメントや乳首を準備しておけば、哺乳瓶に移し替える必要がないため、断水時、洗い物ができないときにも役立ちます。
離乳食 災害時には、離乳食が手に入りにくくなるため、市販のものを準備するようにしましょう。特に、食物アレルギーがある場合、災害状況によっては手に入るまでに時間がかかる可能性もあるため、多めに準備しておくと安心です。
赤ちゃんのケア用品赤ちゃんの衛生状態が悪くならないためにも、しっかりと準備するようにしましょう。口腔内の細菌が身体に悪影響を及ぼす可能性もあるため、口腔ケア用品も忘れずに。特に、災害時は断水や水不足などで水が使えない場合もあるので、歯磨きシートがあると便利です。
防臭袋・レジ袋 災害状況によっては、ごみの収集が一定期間ストップする可能性もあるため、防臭袋があると安心です。また、レジ袋があれば、おむつの備蓄がなくなったとき、タオルと組み合わせて「簡易おむつ」を作ることができます。
食品包装用ラップラップをかぶせた食器で食事をすれば、食器を洗わなくて済むため、断水や水不足などで洗い物ができないときに役立ちます。
使い捨てカイロ身体の保温だけでなく、市販の離乳食や液体ミルクを温めるときにも使えます(常温OKの離乳食や液体ミルクに限る)。

※上記のリストを参考にしながら、各家庭に合ったものを揃えましょう。

満タン&灯油プラス1缶運動
  • 過去の大規模災害時には、ガソリンや暖房用の灯油などの燃料不足が大きな問題となりました。道路の寸断や冠水により、ガソリンスタンドが営業不能になったり、ガソリンの入荷の目途が立たない場合には、一般の方の給油ができなくなる事態も発生しています。
  • そこで、全国石油商業組合連合会および47都道府県石油組合では、自動車の燃料メーターが半分程度になったら満タンにし、暖房用の灯油は1缶余分に備えておく「満タン&灯油プラス1缶運動」を展開しています。詳細は、全国石油商業協同組合連合会のホームページから確認できます。

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2.室内の備え

東京消防庁が実施した近年の地震被害調査では、近年発生した地震による負傷者の30〜50%が、室内における家具類の転倒・落下・移動によって負傷していました。また、平成23年に発生した東日本大震災では、家具類の転倒・落下・移動が高層階に行くほど多く発生している傾向も確認されています。

特に、赤ちゃんがいる家庭では、自宅で過ごす時間が長くなるため、家具類の転倒や落下、移動を防止する対策を行いましょう

■家具類の転倒・落下・移動防止対策の手順

STEP.1
不要な家具や家電の処分・収納
部屋にものを置かないことが最大の防御になります。使っていない家具や家電など、不要なものがある場合は処分するようにしましょう。また、納戸やクローゼット、据え付け収納家具にものを収納し、できるだけ生活空間に家具類を多く置かないことも重要です。緊急地震速報が発表されたら、ものが置いていない空間にすぐに避難できる「安全な室内」を目指しましょう
STEP.2
避難経路の確認・確保
自宅内で被災した場合に、家具や家電などが転倒・落下・移動しても、避難経路がふさがれないか?確認し、必要があれば、配置を変えます。配置を変える際には、引き出しの飛び出しにも注意して、置く方向を検討しましょう。また、部屋の出入り口や廊下にはものを置かず、据え付けの戸棚に収納することも大切です。
STEP.3
転倒・落下・移動防止対策
家具類の配置が決まったら、器具による転倒・落下・移動防止対策を行います。最も確実な方法は「L型金具」によるネジ止めですが、賃貸などで使用できない場合は「ポール式器具(突っ張り棒)」と「粘着マット」や「ストッパー」を組み合わせることで強度が高くなります。家具のほかに、ストーブなど発火の恐れがある家電に対しては、転倒・落下・移動防止対策のほか、「感震ブレーカー」の設置などによる電気火災・通電火災対策も必要です。

家具類の転倒・落下・移動防止対策チェックシート

・室内に身を守る場所があるか?(安全確保)
・停電時、暗闇の中で懐中電灯を見つけることができるか?ライトが正常に点灯するか?(安全確保)
・赤ちゃんを連れて、玄関または屋外まで避難できるか?(避難経路の確保)
・照明器具が揺れて頭の上に落下してこないか?(照明器具の落下防止)
・割れたガラスや鏡で赤ちゃんが怪我をしないか?(ガラス飛散防止フィルム)
・テレビや電子レンジ、冷蔵庫などが倒れてこないか?(家具や家電の固定、転倒防止マット)
・食器棚や本棚、戸棚、タンスなどから中身が飛んでこないか?(扉のストッパー、食器の滑り止めシート)

自宅で地震が発生した場合
  • 慌てて行動してママやパパが怪我をしてしまうと、赤ちゃんを助けることができなくなるため、室内の安全な場所に避難し、3つの安全行動(まず低く・頭を守り・動かない)をとりましょう。
  • 揺れを感じたとき、赤ちゃんの頭をクッションなどで覆うのはNGです。ママやパパの太ももの上に、赤ちゃんの頭をうつ伏せの状態で置き、ママやパパのお腹で赤ちゃんの頭を覆うような姿勢(ダンゴムシのポーズ)をとります。いざというときに赤ちゃんが嫌がらないよう、普段の遊びの中でダンゴムシのポーズを取り入れるとよいでしょう。

地震による電気火災を防ぐ、感震ブレーカー
  • 地震の二次被害として発生することが多い大規模火災。その多くは、電気機器や電気関係の配線などが原因(電気火災)だと言われています。実際に、阪神・淡路大震災や東日本大震災における火災原因も約6割が「電気関係」でした(※)。
  • 電気火災の対策としては、感震ブレーカー(地震発生時、想定以上の揺れを感知した際、自動的に電気供給を止める器具)の設置が効果的です。
  • 東京都では、出火防止対策促進事業として、木造住宅密集地域など一部の地域を対象に、感震ブレーカーを配布しています。自宅が対象地域かどうかは、こちらから確認できます。また、東京都以外でも、補助金制度を設けている自治体があるため、設置を検討している方は、まずは、お住いの自治体のホームページを確認してみるとよいでしょう。

(※)出典:「大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会報告書について(概要)」(内閣府政策統括官)

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3.屋外の備え

いざ避難が必要になったときに慌てることがないよう、自宅から近い避難場所と、避難場所までの安全な避難経路について、事前に確認しておきましょう。お子さんを保育園に預けている場合は、保育園へ迎えに行く経路についても確認しておくと安心です。

自宅周辺にある避難場所と、避難場所までの安全な避難経路は、ハザードマップ(※)を利用して確認することができます。ハザードマップで確認した後は、実際に自宅から避難場所まで歩いてみて、避難経路に危険な場所がないか?確認することが重要です。

万が一、道路がふさがれて通れなくなってしまった場合に備えて、複数の避難経路を確認しておくと安心です。また、災害時には通常の電話がつながりにくくなりますが、公衆電話は比較的つながりやすいといわれているため、自宅や避難時場所から近い公衆電話の場所を確認しておくのもおすすめです。

(※)ハザードマップには、自然災害が起こった場合の避難場所や避難経路のほか、過去に発生した自然災害の被害状況や被災想定区域などが記載されています。また、防災マップや被害予測図、被害想定図、アボイド(回避)マップ、リスクマップなどと呼ばれているものもあります。

■災害時に危険な場所

  1. 地震の場合
    ・狭い路地
    狭い路地では、ブロック塀やコンクリート塀などが倒れてきたり、家屋の瓦が落ちてくる危険性があります。自動販売機や電柱の近くも、自動販売機などが倒れてきて下敷きになる危険性があります。
    ・木造密集地
    狭い路地で木造家屋が密集している地域では、火災発生時に延焼が拡大する危険性があります。
    ・オフィス街や駅前
    中高層ビルが立ち並ぶオフィス街や駅前では、窓ガラスや外壁、看板などが落ちてくる危険性があります。
    ・海岸や河川に近い場所
    海岸や河川に近い場所では、津波が起こる危険性があります。
  2. 風水害の場合
    ・小川や用水路
    普段は水の流れが少ない小川や用水路でも、大雨のときには急激に増水する危険性があります。
    ・マンホールや側溝
    急激な雨水の流入によってマンホールの蓋が外れて、そこに転落する危険性があります。側溝も、道路が浸水した場合には、足をとられる危険性があります。
    ・地下鉄
    地下鉄は周囲の場所よりも低くなっているため、大雨が流れ込んだ場合、地上への避難が困難になります。地下のガレージなども同様の危険性があります。
    ・アンダーパス
    周囲の地面よりも低くなっているため、雨水が集中しやすく、水の中で立ち往生する危険性があります。

参考:「防災・危機管理e-カレッジ」(総務省消防庁)

4.コミュニケーションの備え

災害時に困ったこととして多く挙げられるのが、家族と連絡が取り合えなかったこと。特に、平日の日中は会社や保育園など、家族がばらばらの場所で過ごすことも多いでしょう。

いざ災害が起きたときに慌てることがないよう、どのように連絡を取り合うのか?また、どうしても連絡が取れない場合にはどうするのか?について、事前に決めておきましょう

災害時には通常の電話がつながりにくくなるため、連絡手段の1つとして、下記に紹介するようなサービスを利用するのもおすすめです。

また、災害時には、音声通話よりSNSがつながりやすい場合もあるため、普段からSNSを利用している方は、安否確認手段としてSNSを活用するのもよいでしょう。

■災害時の安否確認に便利なサービス

  1. NTTが提供する、災害時の安否確認サービス
    ・NTT「災害伝言ダイヤル(171)」(外部リンク)
    大規模な自然災害が起こり、被災地への通信が増加することで、つながりにくい状況になった場合に提供が開始される声の伝言板。自分の安否情報の登録のほか、家族や親類、知人の安否情報の確認ができます。
    ・NTT「災害伝言板(web171)」(外部リンク)
    大規模な自然災害が起こり、被災地への通信が増加することで、つながりにくい状況になった場合に提供が開始される文字の伝言板。自分の安否情報の登録のほか、家族や親類、知人の安否情報の確認ができます。
  2. 各携帯電話事業者が提供する、災害時の安否確認サービス
    ・NTTドコモ「災害用伝言板 / 災害用音声お届けサービス」(外部リンク)
    ・au「災害用伝言板サービス」(外部リンク)
    ・SoftBank「災害用伝言板 / 災害用音声お届けサービス」(外部リンク)
    ・Y! mobile「災害用伝言サービス」(外部リンク)
  3. 各通信事業者が提供する安否情報をまとめて検索できるサービス
    ・NTT / NHK「J-anpi」(外部リンク)
    電話番号または氏名を入力することで、各通信事業者が提供する災害用伝言板の安否情報に加え、報道機関や自治体、企業などが提供する安否情報を一括で検索し、検索結果をまとめて確認することができるサービス。
    ・Google「パーソンファインダー」(外部リンク)
    自分や親類、知人の安否情報を登録したり、登録された安否情報を確認することができるサービス。

    ※重要※
    いざというときに慌てることがないよう、災害に備えて、事前に体験利用しておきましょう。
    パーソンファインダーは、こちら(外部リンク)からいつでも操作を試すことができます。
    【安否確認サービスの体験利用提供日】
    ・毎月1日と15日
    ・正月三が日(1月1日〜1月3日)
    ・防災とボランティア週間(1月15日〜1月21日)
    ・防災週間(8月30日〜9月5日)

災害時には近隣の住民同士の助け合いが必要になります。特に、赤ちゃんがいる家庭では、身近な大人の助けが必要になることも多いため、日頃から地域や近隣の方と挨拶を交わし、地域に顔見知りを増やしておくことが重要です。

慣れない避難所での生活では、顔を覚えていてくれて、声をかけてくれる知り合いが1人いるだけでも大きな安心感につながります。

赤ちゃんと避難するときの3つの注意点

1.避難のタイミング

大雨や強風の中で、赤ちゃんを連れての避難はとても危険な行動になります。そのため、赤ちゃんがいる家庭では、雨風が強くなる前に避難するようにしましょう。

また、夜間や道路が浸水した場合には、足元や周囲の状況が見えづらく、命を落とす危険性もあるため、「暗くなる前に」「道路に水が溜まる前に」安全な場所に移動することが大切です。

自治体が避難指示を発令する目安となる「警戒レベル4」の時点では、すでに雨風が強くなっているため、赤ちゃんがいる家庭では、遅くとも「警戒レベル3」の時点では避難を開始するようにしましょう(※)。

(※)災害時には、内閣府(防災担当)の「避難情報に関するガイドライン」に沿って、自治体や気象庁などから、5段階の警戒レベルを明記した防災情報が提供されることになっています。

2.避難の方法

災害時には、火災や停電などでエレベーターに閉じ込められてしまう可能性があるため、階段で避難する必要があります。たとえエレベーターが稼働している場合でも、避難目的で使用するのは危険なのでやめましょう。

また、ベビーカーの場合、階段での移動が困難になるため、赤ちゃんと避難するときは、抱っこ紐を使って避難します。ベビーカーは荷物を運ぶのに便利ですが、災害時は瓦礫で道路がふさがれていたり、浸水している可能性もあります。

少しでも安全に移動するためには、ママとパパの両手が空いていることが重要です。その点でも、赤ちゃんと避難するときは、抱っこ紐で避難するようにしましょう。

3.避難するときの持ち物

両手を空けた状態で避難ができるよう、荷物の入れ物はリュックを選び、万が一のとき走って避難ができる程度の重さにとどめます(男性で15kg以下、女性で10kg以下が目安)。

また、避難中は、雨水で荷物の中身が濡れ、荷物が重たくなってしまう可能性があるため、撥水加工が施されたリュックを選ぶと安心です。撥水加工が施されていない場合は、荷物の中身(特に、着替えやおむつなど)はジップロックなどに入れておくようにしましょう。

赤ちゃんと避難するときに最低限必要になる荷物は、こちらで紹介しています。

防災リュックにおすすめの色
  • 視認性の観点では、オレンジ色がおすすめです。オレンジ色は、土砂や瓦礫、煙のなかで一番目立ち、夜間や火災現場などで救助隊が最も発見しやすい色だと言われいます。
  • 実際に、オレンジ色は「国際救難色」として、救助用の浮き輪やライフベスト、救助隊の制服など、世界中の救急・救助関連アイテムに使用されています。
  • 一方で、土砂や瓦礫、夜間の暗闇などと同化してしまう黒色などは、救助の際には発見が難しくなると言われています。また、目立ちやすいイメージがある赤色も、夜間には暗闇と同化してしまい、あまり目立たないことがわかっています。
  • 「目立ちやすい色のリュックには抵抗がある‥」という方は、オレンジ色の布を防災リュックの取り出しやすい場所につけておくことをおすすめします。

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被災経験のあるママとパパが選ぶ、おすすめの防災アイテム

防災セット

■防災セット SHELTER FAMILY ベビータイプ | LA・PITA(ラピタ)

防災のプロである防災士が、赤ちゃんに特化した最新の防災グッズを厳選した「防災用品トップメーカーの防災セット」。本シリーズは、災害時に役立つ防災製品として、内閣府・防災推進協議会・防災安全協会の推奨を得ているほか、防災セットとして、はじめて楽天市場の総合1位を獲得するなど、多くの方に選ばれています。リュックには撥水加工が施されているので、雨の日の避難でも安心です。


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■赤ちゃん専用 非常用持ち出しセット(確認リスト付き) | Hariti(ハーリティー)

ママやパパの非常用持ち出し袋にプラスして使用する、赤ちゃん専用の防災セット。防災士監修のもと、使い切り哺乳瓶や湯沸かし器など、避難所で役に立つ防災グッズ9点を厳選。ギフトラッピングもできるので、出産祝いや誕生祝いなど、大切な方への「おくる防災」としてもおすすめです。

防災グッズ

■アクアクララ 子育てアクアプラン | Aqua Clara(アクアクララ)

子育てファミリーが選ぶウォーターサーバーブランドNo.1(※1)の、調乳・離乳食に使えるウォーターサーバー。停電時でも使用ができ、毎月の注文ノルマもないため、災害時の家庭内備蓄としても安心です。赤ちゃんのいる家庭には、「子育てアクアプラン(※2)」がおすすめ。

(※1)ゼクシィBaby「人気育児ブランドクチコミランキング2021年上半期」ウォーターサーバー(RO水)部門 No.1。「Pre-mo Baby-mo 育児 GOODS AWARD 2021」ウォーターサーバー部門 No.1。
(※2)妊産婦から6歳以下の未就学のお子さんがいる方を対象に、利用額から毎月550円(税込)の割引や、子育て家庭に嬉しいグッズを用意したプラン。

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■sonaetta(ソナエッタ) 頭をまもるブランケット | Pigeon(ピジョン)

「日常の子育てのなかで自然にソナエができている」をコンセプトとした、ピジョン初となる赤ちゃん用の防災用品シリーズ。本シリーズは、いざというときに役立つのはもちろん、赤ちゃんの成長に合わせて日常使いもできます。災害時は、赤ちゃんの頭をまもるクッション帽子に。広げればブランケット(防寒具)になり、抱っこ紐の上から付けることもできます。また、避難場所や外出先での授乳ケープとしても使えるため、災害時に、普段使いに、様々な場面で活躍します。

■sonaetta(ソナエッタ) 災害用授乳カップ | Pigeon(ピジョン)

「日常の子育てのなかで自然にソナエができている」をコンセプトとした、ピジョン初となる赤ちゃん用の防災用品シリーズ。本シリーズは、いざというときに役立つのはもちろん、赤ちゃんの成長に合わせて日常使いもできます。赤ちゃんが飲みやすいよう流量調整ができる専用の蓋が付いているので、慣れない紙コップ授乳でもこぼす不安がありません。また、メモリ付きのマドラーも付属されているため、粉ミルクの調乳も可能です。

■明治ほほえみ らくらくミルク 6缶 x 2(専用アタッチメント付き) | 株式会社明治

常温のまま哺乳瓶に注ぐだけで使用できる、乳幼児用液体ミルク。品質劣化をもたらす要因を完全に遮断できる高い密封性と遮光性、さらに外部からの衝撃にも耐えうる耐久性に優れたスチール缶なので、家庭内備蓄としての長期保存も可能(※1)。また、日本で1番選ばれている粉ミルク(※2)「明治ほほえみ」と同等の栄養設計であることや、専用アタッチメント「明治ほほえみ らくらくミルク アタッチメントⅡ」(※3)を付けることでそのまま使用できる利便性が評価され、ゼクシィBabyのアンケート(※4)でもNo.1を獲得しています。

本商品は、もともとは災害備蓄としての活用も考え、たっぷりとした容量(240ml)で展開されていました。しかし、飲み残しや持ち運びなど、日常使いでの利便性も考え、2023年5月からは、飲む量や月齢に合わせて使いやすい2種類の容量(120ml、200ml)で展開されています。

(※1)明治ほほえみ らくらくミルクは、製造日から14ヶ月の保存が可能。保存の際は、高温(直射日光の当たるところや、火のそば、夏場の車の中など)・凍結を避け、常温で保存してください。
(※2)2018年2月9日時点において「粉ミルク購入人数No.1」(調査実施日 2017年1月〜2017年12月) / 株式会社True Date「Ture Date」調べ
(※3)明治ほほえみ らくらくミルク(120mlまたは200ml)に、別売りのピジョン「母乳実感」を取り付けることができる専用アタッチメントです。2023年5月に販売終了した明治ほほえみ らくらくミルク 240mlには非対応となっています。
(※4)ゼクシィBaby「人気育児ブランドクチコミランキング2020年下半期」液体ミルク部門 No.1(調査実施日 2020年7月1日〜2020年7月5日 / 2020年7月8日〜2020年7月12日)

※セット内容:明治ほほえみ らくらくミルク(200ml×6缶)4セット(24缶)、専用アタッチメント 4個、ピジョン母乳実感(乳首)Mサイズ 4個、ピジョン母乳実感(キャップ・フードセット) 4個

■液体ミルク用乳首 | Richell(リッチェル)

缶や紙パックに取り付けるだけで使用できる、液体ミルク専用の乳首。パッケージはパウチ付き袋なので、非常用持ち出し袋にそのまま詰めて持ち出すことができます。また、洗浄・消毒も可能なので、災害時はもちろん、普段のおでかけでの使用もOK。太い缶用・細い缶用・紙パック用の3つのラインナップで、様々なメーカーの液体ミルクに対応しています(※)。

(※)対応サイズ「太い缶用:直径6cm」「細い缶用:直径5.2cm」「紙パック用:約5×3×8.7cm」

■the kindest babyfood | 株式会社MiL

小児科医と管理栄養士が開発した、赤ちゃんに必要な栄養がバランスよく摂取できるベビーフード。お子さんの月齢やアレルギーに合わせた商品が届く「the kindestの定期便」なら、成長によって変わっていく離乳食の備蓄も簡単に管理・継続することができます。

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the kindest babyfood

■ベッタ キャリーミー!ロング | Bétta(ベッタ)

避難所での寝かしつけに使ったり、揺らして遊んだり、何かと使えるアイテム。肩紐の後ろにあるファスナーで長さが調節できるため、体が大きなパパとの兼用も簡単。また、より安全に使用できるように、ファスナーにはロック機能が追加されているため、安心です。

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