雛人形はどこで買っても同じ?後悔しない雛人形の選び方と、迷ったときに役立つ3つのポイント

雛人形はどこで買っても同じ?後悔しない雛人形の選び方と、迷ったときに役立つ3つのポイント

赤ちゃんが産まれてからはじめて迎える、3月3日の「桃の節句(ひな祭り)」。一生に一度の特別な日だからこそ、絶対に失敗したくないのが、雛人形選びです。この記事では、購入後に後悔しないために知っておきたいことや、雛人形の選び方、最近人気の雛人形について紹介します。

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雛人形選びの前に知っておきたいこと

雛人形は、一生に一度の大切な贈り物だからこそ、心を込めたものを選んであげたいものです。一方で、はじめての雛人形選びでは、「どんなお店で」「いつまでに」準備すればいいのかわからない…という方も多いのではないでしょうか。まずはじめに、購入後に後悔しないために知っておきたいことについて整理します。

お下がりはNG!雛人形は1人1飾りが基本

桃の節句(ひな祭り)の起源は、「3月最初の巳の日に、水辺で身体を清め、災厄を祓う中国の風習」と、「草木などで作った人形(ひとがた)に自分の災厄を移し、川に流すことで穢れを祓う日本の風習」が結びついたものだと考えられています。

つまり、雛人形は、自分の災厄を代わりに引き受けてくれる「身代わり」や「厄除け」のような存在。たとえ自分や母親の雛人形が自宅にある場合でも、それは自分や母親の身代わりとして、災厄を引き受ける役目を持っているため、お子さんには、お子さんの災厄を引き受けてくれる雛人形を用意するのがよいといわれています。

また、娘の雛人形と、自分や母親の雛人形を一緒に飾ることに問題はないため、自宅のスペースに余裕がある場合は、並べて飾るのもよいでしょう。

妹が生まれた場合
  • 雛人形には「身代わり」や「厄除け」としての役目があります。そのため、お守り同様に、姉妹で兼用するのは避け、新たに妹の雛人形を用意するのがよいといわれています。
  • ただし、「雛人形を2組飾るのは難しい…」という場合には、市松人形やつるし飾りなど、妹の災厄を引き受けてくれる人形を用意するとよいでしょう。

自宅の雛人形を手放す場合
  • 何らかの事情で雛人形を手放さなければならない場合には、神社のお守り同様に、ゴミとして処分するのは避け、供養することをおすすめします。
  • 雛人形は、供養してくれる神社やお寺に依頼したり、明治神宮人形感謝祭など全国各地で行われている合同供養に参加することで供養することができます。また、「人形感謝(供養)代行サービス」や、「みんなのお焚き上げ」など、雛人形を郵送することで供養を代行してくれるサービスもあります。

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みんなのお焚き上げ

雛人形はどこで買っても同じ?専門店とメーカー(職人)の違い

雛人形と聞くと、「人形本体に、屏風や飾り台、雪洞(ぼんぼり)などの装飾品がセットになったもの」をイメージするかと思います。また、「人形や装飾品は同じメーカーで作られ、各メーカーの店舗で販売されている」と思われている方も多いのではないでしょうか(例えば、A社で販売しているものは、A社の工場で。B社で販売しているものはB社の工場で制作)。

実は、雛人形の制作には高度な技術が必要になるため、基本的には分業制で作られています。例えば、人形は、人形師が在籍する会社で。屏風は、表具師が在籍する会社で制作しています。さらに人形本体においては、顔・髪・手・体と、それぞれのパーツを専門の職人が分業し、1つの人形を作っています。

つまり、雛人形専門店にすべての職人が在籍しているわけではなく、「職人在籍のお店」と謳っている専門店であっても、自社で制作しているパーツは一部だけであることが多いです。

雛人形専門店や百貨店、オンラインショップなどでは、流行や顧客層に合わせた商品を各メーカーから仕入れ、それらを1つのセットとして組み合わせて販売しています。また、店頭の商品から好みの顔や衣装、装飾品を自由に組み合わせて購入できる仕組みを取り入れているお店もあるため、「ほかとは違う娘だけの雛人形を用意したい」という方には、このようなお店がおすすめです。

人気商品は購入時期に注意

制作に高度な技術が必要になる雛人形は、装飾品も含めほとんどが手作りで作られています。そのため、毎年の制作数には限りがあり、購入時期が遅すぎると、希望する商品が購入できない可能性も

雛人形は例年、早いお店で11月ごろからお店に並び始め、12月〜1月中旬ごろに新作が出揃います。人気のある商品は1月中に売り切れてしまうこともあるため、たくさんの商品の中から選びたい場合には、品揃えが豊富な12月ごろから探し始めるのがおすすめです。

2月になると売り切れの雛人形も多くなり、限られた商品の中から選ぶことになりますが、シーズン最後の値引きを行うお店もあるため、お得に購入できることも。ただし、購入時期が遅い場合には、3月3日までに届かない可能性もあるため、注意が必要です。

雛人形選びの流れと注意点

一口に雛人形といっても、たくさんの種類があり、どのように選べばいいのかわからない…という方も多いのではないでしょうか。

下記に、自分自身の経験を踏まえて、雛人形選びの流れと注意点をまとめています。これから雛人形選びをはじめるお母さんやお父さんは、ぜひ、一度確認しておきましょう。

STEP.1
「飾りたい場所」と「収納スペース」の採寸
まずは、「雛人形を飾りたい場所」と「収納スペース」のサイズを測ります。お店やカタログではコンパクトに見える雛人形も、実際に自宅に届いてみると、「思っていたよりも大きい…」と感じる場合が多いため、購入後に後悔しないためにも、「雛人形を飾りたい場所」と「収納スペース」の幅・奥行・高さは事前に採寸しておきましょう。特に、雛人形が15体揃った七段飾りなど、「段飾り」の場合には、十分な奥行が必要になります。また、雛人形は1年中飾っておくものではないため、収納スペースの確保も重要です。飾り台が収納箱になっている「収納型」や、ケースの中に雛人形が入っている「ケース飾り」は、収納箱やケースが収まるスペースが必要になるため、収納スペースの容量にも注意しましょう。
STEP.2
雛人形の「種類」と「飾り方」を決める
雛人形には、仕立てた衣装を人形の胴体に着せ付ける「衣装着(いしょうぎ)人形」と、人形の胴体に溝を掘り、そこに布を押し込んでいく「木目込(きめこみ)人形」の2つの種類があります。また、飾り方にも、男雛(お内裏様)と女雛(お雛様)のみを飾る「親王(しんのう)飾り」、親王に三人官女や五人囃子などの人形を加えた「段飾り」、飾り台が収納箱になっている「収納飾り」、ガラスやアクリルのケースに人形が入っている「ケース飾り」などがあります。マンションなどでスペースが限られる場合には、人形の数が少ない「親王飾り」や、場所を取らない「木目込人形」もおすすめです。木目込人形の中には、人形が手のひらに収まるサイズの商品もあるため、限られたスペースでも七段飾りや五段飾りなど、飾り方の選択肢が増えます。また、広めのスペースを確保し、ゆったりと飾ることで、雛人形の美しさがより一層際立つため、あえて小さめの雛人形を選ぶのもよいでしょう。
STEP.3
「予算」を決める
雛人形の価格は、人形の種類や大きさ、装飾品の数など、様々な要素が組み合わさって決まります。また、人形の種類や大きさ、数が同じでも、人形の顔や衣装に使っている生地、装飾品の材質などによって価格は変わります。具体的には、衣装に使う生地が多く、着せ付ける手間がかかる衣装着人形は、木目込人形よりも価格が高くなります。また、「天然素材の胴体に、正絹の衣装を着せて、漆塗りの装飾品を組み合わせた商品」と、「発泡スチロールの胴体に、化学繊維の衣装を着せて、プラスチックにメッキを塗った装飾品を組み合わせた商品」では、価格が10倍以上変わるともいわれています。特に、大きな専門店では、様々な価格の雛人形を何百種類と用意しているところもあるため、事前にある程度の予算を決めておくとよいでしょう。

迷ったときに役立つ、雛人形選び3つのポイント

雛人形は、人形の顔や体、装飾品といった各パーツをそれぞれのメーカーから仕入れ、それらを自由に組み合わせることで1つの商品に仕上がります。小さなお店でも無数の組み合わせの雛人形が飾られているため、いざ雛人形を選ぼうとしても、その種類の多さに途方に暮れてしまうことも。

特に、はじめての雛人形選びでは、1つに絞ることができず、「最終的には価格や親族などの意見に流されてしまった…」と後悔した経験を持つ方も少なくありません。

下記に、自分自身の経験を踏まえて、雛人形選びで迷ったときに役立つ3つのポイントをまとめています。何を基準に選べばいいのかわからない…という方は、ぜひ、参考にしてみてください。

また、これから雛人形選びをはじめるお母さんやお父さんも、下記のポイントを事前に確認しておくことで、雛人形選びがよりスムーズに進みます。

1.顔

「人形は顔が命」といわれるように、顔は雛人形の印象を左右する重要な部分です。最近では、現代の女性に近い顔や、華やかな化粧を施したものも作られるようになり、顔1つとっても、様々なものがあります。

たとえ小さなお店であっても、1体1体の顔をじっくり見ようとすれば、多くの時間と労力が必要になるため、まずは、自分たちの好みの顔を明確にしておくことをおすすめします。

好みの顔の傾向がある程度絞られていれば、1体1体の顔をじっくり比較することができ、衣装や装飾品など、ほかの部分にも十分に時間を割くことができます。

専門店や百貨店などが作成する雛人形のカタログには、その年に販売される雛人形が多数掲載されているため、これを活用するのもよいでしょう。カタログには男雛と女雛の顔写真はもちろん、セット全体のサイズなども細かく記載されているため、実際に自宅に飾れるかどうか?を事前に確認することもできます。

また、雛人形の顔を専門に作る職人は「頭師(かしらし)」と呼ばれ、頭師ごとにそれぞれ独自の顔や表情があるため、頭師から選ぶのもおすすめです。

■人気作家(頭師)の紹介

  • 川瀬 猪山(かわせ ちょざん)
    天保元年(1830年)創業の京人形頭師。1970年の大阪万博博覧会における享保雛の頭制作や、京人形として初の労働大臣表彰の受賞など、京人形頭師の第一人者。現在は4代目で、2016年に「京の名匠」として京都府伝統産業優秀技術者を受賞(4世代での受賞は業界初)。
  • 川瀬 健山(かわせ けんざん)
    京人形を代表する頭師の1人。初代は17歳のときに川瀬猪山に師事し、現在は3代目。土台から仕上げまですべて手作りで、細部にわたる仕上げまでに70余りの工程を要する健山頭の制作には、国内最高級の技術が必要になる。
  • 藤澤 瑞馨(ふじさわ すいけい)
    京人形に憧れ、21歳のときに2代目川瀬猪山に師事。京都らしい雅な作風が高く評価され、「光源氏と紫の上」をはじめ、徳川家の雛人形の復元にも関わる。また、京都府伝統産業優秀技術者(京の名工)の受賞や、京都府工芸技術コンクールでの優勝など、数多くの賞を受賞。
  • 味岡 映水(あじおか えいすい)
    江戸時代から受け継がれてきた伝統的な工法で頭制作を行う、桐塑頭(本練頭)の頭師。桐塑頭の頭師は、今では日本で数人になってしまったため、とても貴重な頭になっている。現在は3代目で、毎年数量限定・完全受注生産で制作している、お子さんの顔に似せたオーダーメイド雛人形「似顔お姫様雛」が人気。
  • 鈴木 晃隆(すずき こうりゅう)
    近代日本人形の創始者・野口光彦の一番弟子として頭制作を開始。初代は、現在主流の石膏頭の基盤開発や人形職人の育成など、業界に大きく貢献し、勲六等瑞宝章や労働大臣表彰などを受賞。現在は2代目で、眞子内親王殿下、佳子内親王殿下の雛人形を制作するなど、その作品は皇室御用達品としても愛されている。
  • 熊倉 基安(くまくら もとやす)
    1938年、栃木県都留郡西方村に生まれる。16歳のときに安生仁一に師事し、19歳で独立。京都と関東の雛人形を調和させた独自の作風を確立させ、業界に大きな影響を与えた。その透明感のある現代的な美人顔は、文部大臣賞をはじめ、多方面で評価されている。
  • 大豆生田 博(おおまみゅうだ ひろし)
    1967年、埼玉県岩槻市に生まれる。安生仁一に師事した実父・初代大生峰山のもとで頭制作を開始。2009年に経済産業省指定伝統工芸品岩槻人形の伝統工芸士に認定され、その後、東日本伝統工芸展に多数入展。
  • 市川 伯英(いちかわ はくえい)
    大学卒業後に家業の人形製作所に入社。開発担当や頭制作などを経験したのち、1997年に独立。長年、着付師・小出松寿の専用頭を制作していたが、数年前から少しずつほかの頭も流通しはじめている。

2.着せ付け

雛人形は、人形の顔や衣装などで選びがちですが、衣装を着せ付けた際の造形も重要なポイントです。衣装を人形の胴体に着せ付ける職人は「着付師(きつけし)」と呼ばれ、雛人形作りの最終工程を担当することから、雛人形全体的の美しさは、着付師の技術で決まるといわれています。

職人が丁寧に着せ付けた雛人形は、正面から見たときの造形が左右対称で美しく、横や斜めなど、ほかの角度から見たときも自然で安定した形に仕上がります。一方で、着せ付けが悪い場合には、不自然な傾きやボリュームがあり、全体的に不安定に見えてしまいます。

また、衣装に使う生地の選定から裁断、縫製も着付師が担当し、着付師ごとに得意な造形や衣装は異なります。例えば、日本古来の伝統的な美しさを追求する着付師や、現代的な色彩感覚に優れた着付師など、着付師ごとにそれぞれの感性があり、それはそのまま雛人形の衣装に反映されます。

■人気作家(衣装着人形)の紹介

  • 大橋 弌峰(おおはし いっぽう)
    古典京雛の名匠である実父・初代大橋弌峰に師事。有職故実に基づいて作られる優雅で格調高い「有職雛(ゆうそくびな)」は、全部で3,000にものぼる工程を要し、その工程1つ1つに伝統工芸技術が必要になる。京都府伝統産業技術コンクールをはじめ、京都府伝統産業優秀技術者(京の名工)や瑞宝単光章など、数多くの表彰・受賞歴を持つ、名実ともに京人形界を代表する人物。
  • 平安 寿峰(へいあん じゅほう)
    有職京人形司である実父・初代平安寿峰に師事。古代の染色方法で平安時代の色を再現した衣装を発表するなど、初代の作風を受け継ぎながら、新たな試みにも取り組む。その作品は皇室や伊勢神宮、出雲大社をはじめ、多くの場所へ奉納・謹呈されるなど、京人形界きっての職人といわれている。
  • 平安 博暁(へいあん はくしょう)
    京人形最高の技術を誇るとされた平安一浦に師事。素材の美しさを活かした優美で柔らかい造形と、モダンな色彩感覚が高く評価され、全国的にも人気が高い京人形の着付師。柔らかく自然な流れの着せ付けは、決して飽きさせない魅力を持つ。
  • 小倉 草園(おぐら そうえん)
    1921年、静岡県浜松市に生まれる。静岡県で修行を積んだのち、秋田県で独立。豊富な経験と繊細な性格から生み出される雛人形は、細部にまでこだわりがあり、長く飾っても飽きのこない安定感がある。その卓越した技術は、内閣総理大臣賞をはじめ、経済産業大臣賞や文部科学大臣賞など、多方面で評価されている。
  • 清水 久遊(しみず くゆう)
    1938年、愛知県蒲郡市に生まれる。桃の節句(ひな祭り)の起源にこだわり、宮廷の衣冠束帯、有職故実を独自に研究・創作し、そこに女性らしい繊細な色彩感覚とモダンな感性を取り入れた作風(クラシカルエレガンス)を確立した、業界を代表する着付師。伝統美、色彩美、技巧美から醸し出される優雅で繊細な雛人形は、特別な存在感を与える。
    柴田 家千代(しばた やちよ)
    1958年、愛知県名古屋市に生まれる。名古屋造形芸術短期大学卒業後、フランス人形デザイナーの実母・山崎由美子のもとで人形制作を開始。フランス人形や日本人形の企画・制作・研究を重ねたのち、初代柴田家千代に師事。その色彩や作風を継承し、日本古来の伝統美を追求した繊細な雛人形を作り出す。特に、現代の住宅でも飾りやすいコンパクトな雛人形を制作する技術が高く、近年人気が集まっている。
  • 小出 松寿(こいで しょうじゅ)
    1969年、大阪府東大阪市に生まれる。初代小出愛の孫にあたる実父・初代小出松寿の長女として、幼少期からその作風と感性に触れる。大学では史学研究にて歴史への造詣を深め、卒業後はファッション業界を経て、色彩や美への感性を磨く。2021年、初代小出松寿の急逝により2代目を襲名。父から受け継いだ伝統に、彼女自身の経験と知識を融合させた優美で洗練された雛人形は、均整が取れた美しい造形を持つ。

■人気作家(木目込人形)の紹介

  • 原 孝洲(はら こうしゅう)
    明治44年(1911年)創業の人形師。初代・原米州は、1934年に上皇陛下の初節句に人形を献上し、1966年には国の無形文化財に指定され黄綬褒章を授与。2代目のときに雅号を原孝州に改め、無形文化財に指定された初代の技術を受け継ぎながら、女性らしい感性を取り入れた人形の制作にも取り組む。現在は3代目で、女子美術大学卒業後イギリスに留学し、美術やインテリア、ファッションなどを学んだのち、実母・2代目原孝州のもとで修行を開始。人形制作と同時に、日本文化を国内外に発信する活動も積極的に行っている。
  • 金林 真多呂(かなばやし またろ)
    大正8年(1919年)創業の人形師。伝統的な技術を忠実に受け継ぎ、木目込人形発祥の上賀茂神社から唯一の正統伝承者として認定を受けている。数々の工程を重ね、職人の丹精こもる技術から生まれる雅やかな作品は、経済産業大臣指定の伝統工芸品としても高い評価を得ている。現在は3代目で、伝統技術にモダンな感性を取り入れた作品は、内閣総理大臣賞をはじめ、数多くの受賞歴を持つ。
  • 鈴木 賢一(すずき けんいち)
    近代日本人形の創始者・野口光彦に師事し、人形制作を開始。勲六等瑞宝章の受章や、無形文化財の認定など、江戸木目込人形の第一人者。1993年には皇太子殿下ご成婚の人形制作や、天皇皇后両陛下への献上品を制作するなど、その作品は皇室御用達品としても愛されている。
  • 大里 彩(おおさと あや)
    人形のまち・さいたま市岩槻に生まれる。その環境から、幼少期より木目込人形に親しみ、独学で人形制作を開始する。江戸時代から受け継がれてきた技術と伝統的な色彩に、岩槻で養われた独自の感性を融合させた作品は、優しさ溢れる人形として注目を集めている。
  • 松崎 幸一光(まつざき こういっこう)
    大正10年(1921年)創業、江戸木目込人形と江戸衣装着人形の両方を手がける作家。現在は3代目で、経済産業大臣指定伝統工芸士(江戸木目込人形、江戸節句人形)として認定されている。日本古来の美を表現した伝統的で優美な人形制作と同時に、「鎧着大将飾り」や伝統的工芸品の「江戸からかみ」を使用した屏風、アートとしての木目込「anima」など、現代のライフスタイルに合わせた新しい作品の制作も積極的に行っている。

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3.衣装

衣装は、比較的好みが分かれやすい一方で、生地の材質や文様など、細かく比較していくと1つに絞るのに苦労する部分でもあります。衣装選びで迷わないためには、雛人形を飾る目的を明確にし、自分たちの判断基準を持つことが重要です。

例えば、「雛人形を通して、幼い頃から日本古来の伝統に触れてほしい」という場合には、平安時代から用いられている「有職文様(ゆうそくもんよう)」の衣装を選ぶのもおすすめ。有職文様には、おめでたい吉祥文様も多く、また文様の1つ1つに意味があるため、お子さんへの大切な贈り物としてもぴったりです。

予算内で満足のいく雛人形を見つける方法
  • 雛人形は、細部に至るまですべて、伝統的な工法や高品質な素材にこだわったもので組み合わせた場合、100万円近くになることもあります。どうしても予算が合わない場合には、初節句には親王飾りを購入し、お子さんの成長に合わせてほかの人形や装飾品を買い足していくという選択もあります
  • また、取り扱い商品の中から好みの顔や衣装、装飾品を自由に組み合わせて購入できるお店もあります。このようなお店なら、予算に合わせて自分好みの雛人形にカスタマイズすることができます。
  • 大きな専門店や百貨店などでは、人形の価格に広告費などが上乗せされていたり、はじめから高価格帯の商品しか扱っていない場合もあるため、小さなお店やオンラインショップなども選択肢に入れておくことで、満足のいく雛人形に出会える確率が上がるでしょう。

先輩ママとパパが選ぶ、最近人気の雛人形

親王飾り

最近は、マンションなどの住宅事情により、男雛(お内裏様)と女雛(お雛様)のみを飾る親王飾りを選ぶ家庭が増えています。

特に、女性らしい繊細な色彩感覚とモダンな感性を取り入れた雛人形を制作する清水久遊や、限られたスペースでも飾りやすいコンパクトな雛人形を制作する柴田家千代などの作品は、近年人気が集まっています。

また、段飾りに比べて人形の数が少ないため、飾り付けや収納が簡単にできるのも親王飾りの魅力です(※)。

(※)雛人形の飾り付けには、「親王飾り:1人30分程度」「五段飾り:2人で30分程度」「七段飾り:2人で60分程度」かかるといわれています。

ケース飾り

子どものためにも雛人形は毎年ちゃんと飾ってあげたいと思っているものの、「飾り付けや収納が大変そう…」という方には、ガラスやアクリルのケースに雛人形と装飾品が取り付けられた「ケース飾り」がおすすめです。

ケース飾りの場合、人形に直接ホコリが付かず、また、ペットにいたずらをされる心配もないため、室内でペットを飼っている方にも人気です。

木目込人形

丸みのあるフォルムと、温かみのある可愛らしい表情から、最近では木目込人形を選ぶ家庭も増えています。

木目込人形の中には、人形が手のひらに収まるほどコンパクトな商品もあるため、「スペースに余裕はないけれど、段飾りの雛人形を飾りたい…」という場合には、木目込人形を候補に入れると選択肢が増えます。

また、衣装着人形に比べて扱いやすく型崩れしにくのも木目込人形の魅力です。

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