子どもの寝顔の前で、ふと立ち止まった夜
夜23時過ぎ。
リビングの電気を落として、そっと子ども部屋のドアを開ける。
薄暗い部屋で、2人の寝息が規則正しく重なっている。
上の子は布団を蹴飛ばしていて、下の子はぬいぐるみをぎゅっと握っている。
その寝顔を見て、胸の奥がふわっと緩む。
「今日も無事に終わったな」
そう思う一方で、同時に別の感情がじわっと湧いてくる。
「でも…このままでいいのかな」
お金のこと。
仕事の伸びしろのこと。
自分の気持ちの満足度のこと。
焦りとも、不安とも言い切れない、
軽いざわつきのような感情。
もし今、あなたが同じ気持ちを抱いているなら、
この先を読んでほしい。
新卒3年で辞めて、起業して、空中分解した話
僕は新卒で金融機関に入りました。
安定している。
世間体も悪くない。
両親も安心してくれた。
でも3年で辞めました。
理由は単純で、「このまま定年までいる自分」が想像できなかったから。
勢いでWEBサービスを立ち上げました。
でも、WEBもマーケも知識ゼロ。
営業資料も、サイト設計も、すべて手探り。
打ち合わせ帰りのカフェで、
ノートPCを閉じた瞬間、
「これ、いけるのか?」と何度も自問しました。
結果は、空中分解。
売上が立たず、チームも解散。
口座残高を何度も確認しながら、
「さすがにやばいな」と夜中に天井を見つめたこともあります。
なんとか立て直して、結婚して、父になった
そこからは、いただいた仕事を一つずつ積み重ねました。
コンサル。
受託。
小さなプロジェクト。
派手さはないけれど、
確実にお金になる仕事を積み上げる。
31歳で結婚。
やがて子どもが2人生まれました。
保育園の送り迎え。
夕方の公園。
週末のスーパーでのまとめ買い。
ベビーカーを押しながら、
「この時間は何より大事だ」と本気で思うようになりました。
同時に、売上の天井も見え始めました。
売上は安定。でも、どこか物足りない
会社は小さいながら回っている。
生活はできている。
家族旅行にも年に数回行ける。
贅沢ではないけれど、不自由ではない。
でもある日、スプレッドシートの数字を見ながら、
ふと手が止まりました。
「この仕事のフォーマットだと、上限はここだな」
安定はしている。
でも、伸びない。
そしてもう一つの問いが浮かびました。
「そもそも自分って、何がやりたかったんだっけ?」
子どもの寝顔と、静かな焦り
夜。
子どもが寝静まった部屋で、
布団をかけ直しながら思う。
「この子たちの将来を守れるのか」
「もっと選択肢を増やせる父親でいられるか」
同時に、
「自分はこのままで満足か?」
という問いが、消えない。
若い頃のように、
全財産をかけたチャレンジはできない。
守るものがある。
だからこそ、無謀なことはできない。
でも、何もしないのも違う。
この板挟みが、いちばん苦しい。
まずやったのは、価値観の棚卸しだった
いきなり事業計画を作るのはやめました。
その代わりに、ノートを開いて書き出しました。
・自分が大事にしたいもの
・10年後どうなっていたいか
・やっていて誇れる仕事は何か
・子どもに背中を見せられるか
そこで思い出したのが、最初の起業の動機でした。
「社会の何かを良くしたい」
格好つけた言葉だけど、
あのときは本気だった。
お金よりも、
承認欲求よりも、
“誰かの役に立ちたい”が先にあった。
マラソンとダイエットが教えてくれたこと
僕はマラソンを走ります。
体重管理もしています。
タイムが伸びない時期、
「自分には才能がない」と思ったこともあります。
でも、トレーニングログを振り返ると、
積み重ねた距離は裏切らない。
子育ても同じ。
昨日できなかったことが、
今日できるようになる。
ふとした瞬間に成長の芽が見える。
そのとき気づきました。
自分は、人の成長の芽を見つけて、ドライブさせる種を撒きたいんじゃないか?
お金を稼ぐことは大事。
でも、それだけじゃ満たされない。
奥さんとのブレストが、答えをくれた
ある夜、
キッチンのカウンターでコーヒーを飲みながら、
奥さんに話しました。
「なんかさ、このままでいいのかなって思ってて」
否定されると思っていたら、
意外な言葉が返ってきました。
「あなたって、人の変化を見るときが一番楽しそうだよね」
ハッとしました。
売上でも、規模でもなく、
“誰かの成長に関わる瞬間”が好きだった。
同時に、弱さも見えました。
完璧主義。
抱え込みがち。
スピード重視で疲れる。
それを言語化できたことで、
進み方が少し見えました。
パパママであり、ひとりの社会人でもある
子育ては尊い。
でも、
親である前に、ひとりの人間でもあります。
仕事で満足したい。
成長したい。
誇りを持ちたい。
それは、わがままじゃない。
むしろ、
その姿を子どもに見せることが、
一番の教育かもしれない。
「現状維持」に違和感を持ったら
もし今、あなたが
・仕事は回っている
・生活も安定している
・でもどこか満たされない
そんな状態なら。
いきなり転職サイトを開かなくてもいい。
まずは、
・自分が何に心が動くのか
・何をしているときが誇らしいか
・どんな背中を子どもに見せたいか
を、静かに書き出してみてほしい。
その延長線上に、
転職という選択肢があるかもしれないし、
今の仕事の中で形を変える道があるかもしれない。
動く前に、
「軸」を整える。
30代、40代の挑戦は、
勢いよりも解像度が武器になる。
最後に
今日も、子どもは眠る。
その寝顔は、
あなたが積み重ねてきた証。
でも同時に、
これからの問いも投げかけてくる。
パパママでありながら、
一社会人でもある。
その両方で、
満足や幸せを感じたい。
それはきっと、
多くの人が心の奥で思っていること。
焦らなくていい。
でも、無視もしなくていい。
静かな違和感は、
次の一歩のサインかもしれない。
今夜もまた、
子どもの寝顔を見ながら、
少しだけ自分の未来に問いかけてみる。
それだけで、
もう前に進み始めているのかもしれません。
